「いつか好きなことを仕事にする」という幻想を捨てた話
成功者や人生を楽しむ人が、よく以下のような論法で語ることがあります。
- 人生は好きなことを突き詰めた方がうまくいく
- なぜなら好きなことは継続することが苦ではないので、高いレベルに到達できる
- 高いレベルに到達することで、希少価値のある人材になることができる
- 希少価値のある人材には色々な仕事が舞い込んできたり、たくさんの人との出会いがあったり、多くのチャンスに恵まれる
- そうすると好きなことを仕事にして、毎日楽しく生きていくことができる
ごもっともです。これに痛く納得した過去の私は早速行動に移しました。
まずは「好きなこと」を探すことから始めました。これまで私が触れてこなかった様々な新しいことに挑戦しました。
3年ほど「自分の好きなもの」を意識して探す生活を送る中で、私は気づいてしまったのです。
自分には「好きなもの」がない
もちろん、「好き」と呼べるものが全くないわけではありません。ラーメンは好きですし、ゲームをすることも好きです。楽器を弾くことも深夜ラジオを聞くことも好きです。
ただ、四六時中そのことだけを続けていられるかというと無理です。そのうち飽きてしまいます。
正確に言葉を選ぶと、「トップレベルになるまでの継続した修練が苦ではないほど好きなもの」は私にはなかったのです。
ただ、これに気づくことができたのはとても良いことでした。あるはずのない「好きなこと」を探し求めて時間を浪費することは人生にとってプラスではありません。いるはずのない自分探しの旅のようなものです。
そうなるとすでに上記の論法は機能しません。
もちろん、自分が好きなことに没頭し、苦労せず高いスキルを得て、いつも間にかそれで収入を得ることができればそれは素晴らしいことです。