娘が生まれて、私(男性)が育休を取った理由とその結果

2018年8月に長女が生まれた我が家。それを機に妻と私は育休を取りました。
会社員の女性が産休後に育休を取るケースは珍しくありませんが、男性が育休を取ることはまだまだ一般的ではないのが残念ながら日本の現状です。
私(男性)が育休を取ろうと決めた理由や育休期間を通して娘と過ごした感想を記しておきます。

育休を取ることを決意した理由

育休を取ると決めた理由は3つあります。

  • 夫婦はフェアであるべき
  • 自分の可能性を広げるため
  • 子供と一緒に過ごしたい

夫婦はフェアであるべき

これまでの日本の家庭では、そして今でも一般的な家庭では、夫が外で仕事をしてお金を稼ぎ、妻は家事と育児をする、というスタイルが普通とされています。

しかし、私も体験してつくづく感じたのですが、育児・家事に必要な時間と労力は想像以上のものでした。常に目が離せない乳幼児を世話しながら、料理・洗濯・掃除を一人で行うと、自分のための時間はほぼ確保できません。乳幼児の育児と家事は大人一人分のリソースをつぎ込んでやっと行えるか、やや足りないくらいのボリュームがあります。

妻は子供が生まれた後も仕事を続けたい、キャリアアップをしたいと願っていました。しかし、前述の通り育児と家事をしながらこれを行うことは至難の業です。一方、妻に育児と家事を任せた場合、私は日々の仕事の中で引き続きスキルを養うことができます。これは夫婦の関係においてフェアではありません。

もし私が仕事を一時中断して、育児と家事の半分を手伝えば、妻の負担は単純に半分になります。それぞれが空いた時間でキャリアアップのための勉強を行えば、対等な時間の使い方ができます。

・私が育休を取得しない場合
私:仕事(100%)
妻:育児・家事(100%)

・私が育休を取得する場合
私:育児・家事(50%)、キャリアアップのための勉強(50%)
妻:育児・家事(50%)、キャリアアップのための勉強(50%)

自分の可能性を広げるため

育休を取るにあたりよく懸念されるのは、長期間休むことで今後社内での立場が低くなるのではないか、出世などに影響が出るのではないかということです。

法律の上では、育休を申請・取得したことで人事評価や待遇などに不利益な取り扱いを行うことは禁止されています。
とはいえ、降格や減給、昇進できなかったことが育休取得によるものだという立証は難しく、不利益な待遇を被ることは育休を取得する上である程度覚悟しなくてはならないという組織もあることでしょう。

しかし、半年や一年休んだくらいで戦力外扱いされたり、今の会社を辞めた時に同じ条件で他の企業に転職できないような実力しか持っていない人材だとしたら、その方がよっぽどヤバい、のではないでしょうか。

人生100年時代と言われ、今子供を育てている世代が60代で定年退職できるようなことは今後あり得ないでしょう。安定した生活を送るためには今の会社が潰れてもやっていけるスキルを持っている必要があります。

私が取得した育休期間は6ヶ月と長くはありませんが、この期間で今の会社以外でもご飯を食べていくことができるようなスキルと人脈を培おうと決めました。

子供と一緒に過ごしたい

育休を取得した最も大きな理由は、とても単純ではありますが、私は自分の子供となるべく長く一緒に居たかったのです。

昔から赤ちゃんを見るたびに「かわいいなあ」と思ってました。他人の子供でさえかわいいと感じるのだから、自分の子供はどれほどかわいいのだろうと、生まれる前から色々想像していました。そしていざ生まれた我が娘は全ての想像を軽くぶっちぎって凄まじいかわいさ、そして存在感でした。

赤ちゃんはあっという間に大きくなります。赤ちゃんが赤ちゃんでいる時間は決して長くなく取り戻すことはできません。
当面の生活費はある、今の日本には育児休業という制度もある、この状況で私が育休取得という選択をしなかったら、きっと何年か後の私は後悔するに違いないと考えました。

現在、育休を取得して5ヶ月目になりますが、この5ヶ月間の日々は間違いなく私の人生の中で最も価値のある時間の一つになりました。

育休を取ると宣言した時の社内の反応

2017年度の男性育休取得率が5.14%だったことからも見て取れるように、男性が育休を取ることはまだまだ珍しいのが現状です。
私の勤める会社も例外ではなく、これまで女性の育休取得は何例かありましたが男性の取得例はありませんでした。私はめでたく我が社の男性育休取得者第一号になりました。

育休を取ると決めた後、私は最初に上司にそのことを伝えました。
男性である私が育休を取るとは想像もしていなかったためか、上司からは「えっ?育休?」という反応が返ってきました。
幸い、上司は快く私の育休取得を認めてくれ、大きな問題となることはありませんでした。

育休を取っていますと言った時の周囲の反応

「今育休中なんです」と男性の私が言うと、ほぼ100%の確率で驚かれ、ほぼ100%の確率で「いい会社だね!」と言われることがわかりました。

しかし、私が取得した育児休業制度は会社の制度ではなく、育児・介護休業法で定められている制度で、以下の条件に当てはまる人であれば会社の制度とは関係なく誰でも取得することができます。

  • 原則として1歳に満たない子供を養育する男女労働者
  • 同一の事業主に引き続き1年以上継続して雇用されている
  • 子供が1歳6ヶ月になる日の前日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

極端なことを言えばいい会社でもブラック企業でも、上の条件さえ満たしていれば誰でも取得できるのが育休です。

しかし、前例がない、代わりの人がいない、などの理由で現実的には取ることができない会社も少なくないでしょう。そう言う意味ではいい会社だね!は正しいのかもしれません。

また、私は恵まれた環境にいるのか、育児は奧さんに任せて旦那は働け!的な意見は一度も言われたことがありませんでした。むしろ、私の行動が良い前例となるだろうからよくぞ育休を取ってくれたと言われました。

育休中にやったこと

当然ですが私の時間のほとんどは育児と家事に当てました。
ミルクをあげる、おむつを替える、寝かしつける、赤ちゃんと遊ぶ、散歩に行く、料理、洗濯、掃除、買い物などの家事に一日平均6〜7時間くらいを使い、余った時間を自分のために使いました。

自分の可能性を広げるため、育休中にやりたかったことは以下の二つです。

  • 自分のスキルを高めること
  • 自分をより多くの人に知ってもらうこと

自分のスキルを高めることとしては以下の3点を主に行いました。
英語:まだまだビジネスレベルには程遠いため、DMM英会話を中心にスピーキング、リスニングを磨きました。
プログラミング:単純に好きなことでもあるのですが、万が一の時はプログラマーとしても食べていけるくらいのスキルはつけておきたいです。
機械学習:トレンドということもあるのですが、飯の種にはうってつけかと思い少し深く学習しました。

しかし、スキルを身につけるだけでは仕事にはなりません。よりたくさんの人に自分を知ってもらうため、機械学習のセミナーやイベントに出かけてその界隈の人脈を作りました。予想以上に私を買ってくださる方もおり、お仕事の話をいただいたり、ありがたいことにうちに来ないかと誘っていただいたりもしました。

また、私と奥さんがそれぞれ、一日一時間ずつ勉強の時間を設けました。奥さんが勉強中の時は私が娘の世話をし、私が勉強中の時は娘がどれだけぐずっていても勉強にに集中しました。はっきり時間を区切らないとなんとなくお互いに気を使って育児・家事を続けてしまうので、これはとても効果がありました。

育休をとってよかったこと

ほとんど後悔することがないくらい、育休を取っていいことばかりでした。

特に意識をしていたつもりはないのですが、どうやら私は育休を取得する以前は目の前の仕事に没頭していたようです。集中して仕事をするということはいいことでもあるのですが、視野が狭くなっていた感は否めません。
「毎日仕事に行かなくていい」という日常は、自分が見えていなかった世の中の部分を教えてくれました。これまで自分の行動範囲にいなかった人に出会うことができました。

育休をとって悪かったこと

これと言って悪かったことは思いつきませんが、半年間の間仕事をしていないとさすがに職場と距離ができた感は否めません。仕事を再開した後、後悔することがあるのかもしれません。

ただ、半年の間まったく職場と連絡を取らなかったわけではなく、時々ビデオチャットで会議に参加したり、簡単な資料を作ったりしていました。また、自分が職場に戻った後何をするのか明確に伝えておくことも忘れませんでした。

良くも悪くも、私一人くらいいなくても会社はなんの問題もなく回る、ということがわかった期間でした。

それでもやっぱり育休はよかった

可能であるのなら、私は全ての子供が生まれる父親に育休を勧めたいです。

「仕事」という日常の中に当然のようにあったものをスッパリ切り取ると、これまで見えていなかったたくさんのことに気がつきました。

毎日働いていない人は意外といることに気がつきました。
昼間の東京は都心部とはいえ結構のんびりしていることがわかりました。
世の中には色々なお金の稼ぎ方があることを教えてもらいました。
自分にとって「幸せ」とはなんなのか、ゆっくり考えることができたのはもしかすると初めてかもしれません。

何より、自分の子供が少しずつ大きくなっていく姿を毎日側で見ることができるのは何事にも変えられません。毎日一緒にいて世話をしていたからこそ気づくことができた小さな変化は少なくありませんでした。

 

育休を取るべきか迷っている、誰かの参考になれば幸いです。