国際結婚顛末記 〜日本人とイラン人が結婚した話〜 後編

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ぼくが大使館に対して当時持っていたイメージは、その国に滞在中の自国民を守ったり、テロの標的になったり、その国を代表するとても偉い人がいる、などといった小学生並の知識しかありませんでした。

 

今考えればあたりまえなのですが、ビザの発給やパスポートの発行・更新などの事務業務も大使館(領事館)の大事なお仕事です。

 

日本にありながら日本ではない、なんか怖い場所だ、というイメージばかりが先行して、訪問する当日はとても緊張していたのを覚えています。

 

実際大使館に付いてみると、びっくりするくらいイメージと違う和やかな雰囲気。ペルシャ語講座やチャリティーバザーなどのお知らせがあったり。スタッフの方もとても丁寧に笑顔で対応してくれました。

 

まず、あっけないくらい簡単に判明したのは、日本人男性とイラン人女性の結婚は何の問題もなく可能だということ(あまり多くはないみたいですが)。手続きはちょっと複雑なのですが、ただの一般人であるぼくでも正しい手順を踏めば結婚することができました。

 

以下が大使館の方に教えていただき、ぼくたちが行った手続きです。
(あくまでぼくたちの場合ですので、現在もまったく同じ手続きかどうかはわかりません。あしからず)

 

  • イラン大使館にて妻の独身証明書(婚姻具備証明書)を申請、取得する。
    • この際、妻の父親の結婚許可証が必要となるので、事前にイラン本国から取り寄せておく。
    • 日本だと、たとえ当人たちの両親の合意が無くても結婚は可能ですが、イラン人女性と結婚する場合は父親の合意は不可欠となります。
    • この後日本の市町村役場に提出するため、独身証明書には日本語訳が必須です。大使館の方にお伝えすることで対応していただきました。
    • 妻の写真(スカーフを被って髪の毛が見えていないもの)が5〜6枚必要だったと記憶しています。
  • 市町村役場に婚姻届を提出、婚姻届受理証明書を取得
    • 以下の資料が必要です
      • 夫のパスポート
      • 前項の妻の独身証明書
      • 夫の戸籍謄本
      • 婚姻届
    • 日本人と外国人の結婚についてはたくさん前例もありますので、検索すればより詳しい情報が見つけられると思います。特にイラン人であることで特別な手続きはありませんでした。
    • 届出後、婚姻届受理証明書をもらいましょう。
  • 宗教上の婚姻手続き
    • 日本側の手続きは以上の通り、複雑なものではないのですが、イラン側の手続きがここから始まります。私の理解が正しいか微妙なのですが、宗教上の婚姻手続きと大使館での婚姻手続きがそれぞれあるように思えます。
      まずは宗教上の婚姻手続きを行う必要があります。こちらは大使館で行うものではなく、ぼくたちは大使館で連絡先を教えていただき、品川にあるアフルルバイトセンターにお世話になりました。
    • イランではイスラム教徒同士でしか結婚することができないため、日本人であるぼくはイスラム教に入信する必要があります。その後結婚の手続きを行っていただきます。いずれも丁寧に説明していただきましたので、以下の書類に不備がなければ特に問題はないかと思います。
    • 以下の書類が必要です
      • 夫の写真3枚(3cm×4cm)
      • 妻の写真3枚(スカーフを被って髪の毛が見えていないもの3cm×4cm)
      • 夫・妻のパスポート
      • 妻のシェナスナーメ
      • 住所が確認できるもの(免許証・住民票など)
      • 婚姻届受理証明書
      • 印鑑
      • 手数料
    • すべての手続が終了後、婚姻証明書と入信証明書をいただきました。
  • イラン大使館での婚姻手続き
    • 最後の手続きとなります。
    • 以下の書類が必要になります。
      • 婚姻届申請書(イラン大使館配布)1通
        • もちろんペルシャ語で書いてあります。ぼくはペルシャ語がさっぱり読めませんので、妻に記入してもらいました。
      • 婚姻届受理証明書(役所発行のもの)1通
      • 前項の婚姻証明書と入信証明書
      • 日本での結婚後に発行された新しい戸籍謄本1通
        • ぼくは間違えて結婚前の戸籍謄本を持っていってしまい、急いで取り寄せることになりました。
      • 妻と夫それぞれの写真(3×4cm)6枚
      • HIV・梅毒・薬物・サラセミア貧血検査の診断書・検査結果1通
        • 妻、夫ともに必要
        • HIV・梅毒・薬物は問題なく普通の検査で扱ってくれるのですが、サラセミア貧血の検査は扱ってくれる病院を探すのに苦労しました。というか日本ではあまり有名ではない病気のようで、病院の人も「なにそれ?」という感じでした。最終的にイラン大使館近くの古川橋病院で検査していただくことができました。検査日は2人で5万円ほどでした。
      • 夫のパスポート
      • 妻のパスポート及びシェナスナーメ
      • 手数料
    • 問題なく受理されれば、イラン側の婚姻証明書が発行されます。
      配偶者ビザを申請する際に必要となる書類ですので、大事に保管しましょう。

 

以上が日本人男性とイラン人女性が結婚するために行った手続きの流れです。

婚姻届を出すだけの日本人同士の結婚とは違い、時間も労力もお金も必要となりますので、当人たちの協力や信頼関係がなにより必要となるでしょう。

ぼくたちも、とても長いプロセスに疲れたり口論になったりしましたが、必要な手順を一つずつ調べてこなしていく中でお互いの絆はより強まったと感じています。

 

あまり例がない日本人男性とイラン人女性の結婚ですが、この記事が今後誰かの役に立つことがあれば嬉しく思います。