ダメな上司が必ず言うセリフ
20歳のころから今まで、上司という仕事をしてきたぼくに言わせると、上司は本当に楽です。
どこの会社にも「なんでこの人が部長なんだろう?」「どうしてこんなに仕事ができない人が課長になれたんだろう?」と思う人が必ず1人はいます。
その理由は簡単、上司って誰でもできるくらい簡単な仕事なのです。
それっぽいことを言えばいい
上司っぽい仕事をすることは簡単です。誰もが納得せざるをえないようなそれっぽいことを言えばいいのです。
「しっかり目標を立てて、毎日進捗を確認しろ!」
「顧客の需要を適切に把握して、丁寧に対応しなさい!」
「社会人たるもの、自己管理をしっかりするべきです!」
どれもこれもごもっともです。あたりまえのことすぎて、反論の余地がありません。
かわいそうに、こんなことを言われた部下たちはあたりまえのこともできない自分の不甲斐なさに打ちひしがれることでしょう。
理想や目的ではなく、具体的な手段を伝えるのが良い上司
鉄棒で逆上がりができない子どもに、「逆上がりができるようになれ!」と、いくら叱ってもできるようになるわけがありません。
優れた教師や親であれば、子どもが逆上がりができない原因を分析し、できるようになるための方法を段階的に教えることでしょう。
例えば、逆上がりができない原因として、腕が伸び切っている、鉄棒の持ち方が悪い、脚の向きが悪い、などの原因が分析できたのであれば、それらを1つずつ子どもの視点で教えることで、確実に効率よく子どもは逆上がりという目標に向かっていくことができます。
同様に、売上が上がらなくて悩んでいる部下に、「売上が上がらないのはどういうことだ!売上を上げろ!」という上司は、ただ現状を口に出して愚痴っているだけで、なんの分析もしていませんし、なにも解決策を提示していません。
ダメな上司が必ず言うセリフ
目標が達成できない理由や、悩みの原因は人によってそれぞれです。
上司は自分の経験や知識を元にして、部下が目標を達成できない原因を分析し、それを解決するための具体的な策を提示してあげなくてはなりません。それが上司であるための最低限の仕事です。
もし、上司の言葉が「売上を上げろ」「意識を高めろ」「効率よくやれ」などと具体性がなかった場合、単刀直入に「どうすればそれができるようになるのか」聞いてみましょう。
ダメな上司はかならずこう言うでしょう。
「そんなことは自分で考えろ!」
もし、部下がすべての問題の原因分析や対策を、自分だけで考えることができるのであれば、上司の存在は必要ありません。
「自分で考えろ!」という上司は、部下に考えさせたいのではなく、自分で考えることができないのです。そのような人から学べることはほとんどありませんし、そのような人が上司になっている会社にも未来はないので、早いうちに転職してしまったほうがいいでしょう。