揚げ足取りをマネジメントだと思っている人は上司を辞めなさい
以前、上司という仕事は本当に楽で簡単な仕事だと書きました。
上司っぽいことを言って、上司っぽい態度を取ることはまったく難しいことではありません。しかも業績が芳しくなかった場合、その原因を部下のせいにすることも驚くほど簡単なのです。
また、ダメな上司は部下の指導についても勘違いしているケースが少なくありません。
揚げ足取りという名のマネジメント
- ○日までにこの仕事をやっておいてって言ったよね?
- どうしてわからないことがあった時に聞かなかったの?
- ○○をするくらいは社会人として常識でしょ?
これらのセリフを日常的に使っている人は上司のセンスがないと考えたほうがよいでしょう。
上記のような指導は、マネジメントでも何でもなく、ただの愚痴あるいは揚げ足取りです。
部下の仕事が終わりそうになければ、事前に察知して上司がフォローすればよいのです。部下がわかっていなそうなことがあれば、相談に来る前に教えてあげればよいのです。これらは上司の仕事であって必ずしも部下から上司に助けや教えを請うものではありません。
業務効率化より社員教育を優先する上司には要注意
問題が起こる前に上司から部下に教えてあげることができれば、「どうしてできなかった」と部下を叱る必要もありませんし、それによって部下が落ち込むこともありません。なにより業務がスムーズに進行します。
しかし現実には、部下のダメなところを見つけて指摘することをマネジメントだと勘違いしている上司が少なくありません。
「何の」マネジメント?
そもそも会社でマネジメントについて語られる時、「何の」マネジメントをするのかについて言及されることはあまりありません。
会社組織は利益を上げるために運営されておりますので、当然マネジメントの目的は、より効率よく大きな利益を上げるための個人と組織の管理、となるでしょう。
しかし、ダメな上司は「会社の利益」よりも「社員個人」にフォーカスしてマネジメントという名の指導を行う傾向があります。彼らは部下に一般常識や自分の経験などを教えることで、部下を正しい(?)人間にしようとします。
当然ですが、上司は部下を完璧な人間に育てる必要などありません。そもそも完璧な人間など存在しません。
上司の仕事は、どうすれば部下が組織の中でより効率良く動くことができ、より結果が出せるかを具体的に指示すればよいだけです。
「社会人として〜」「人間として〜」の指導など正直言って大きなお世話です。
具体的な指示ができないから揚げ足取りをする上司
前述のとおり、上司が行うべきマネジメントとは、どうすれば部下が組織の中でより成果が出せるかを具体的に指示することです。
生活態度や人生観などに口を出しても何もいいことはありませんし、そんなことで部下から尊敬されることはありません。
では、なぜ上司が部下に揚げ足取りのような指示しかできないかというと、業務改善のための具体的な指示ができないからという理由につきるでしょう。
具体的な指示、というものは責任が問われますし経験や実力も必要です。
部下が抱えている課題に対して、またはこれから遭遇する問題に対して、「○○と□□をやれば大丈夫だよ」という指示は簡単なものではありません。
部下の行動にあれこれと口を出してくる上司は、上司以前に社会人・会社員としての能力が低いということが言えるでしょう。