ディレクターや編集者が要らなくなる時代

長年、クリエイティブの世界で仕事をしていますが、昔からぼくは、クリエイティブ業界においてディレクターや編集者の類は必要ないと考えています。

特に音楽業界はものすごく儲かっていた時代の悪習がいまだ続いているのか、この人は一体何をやっているのだろう?というポジションの人が少なくありません。

何を作るわけでもなく、何を勉強しているわけでもない、ただ、その人に話をしておかないと・・・とか、その人に聞いてみないと・・・という謎のポジションの人。

インターネットの登場によって、作る人と欲しい人の距離がどんどん近づいている今、そういう人たちを始めとする、「途中にいる人」の仕事は無くなりつつあります。

 

そもそも音楽なんてそんなに儲からなくていい

ファンが5000人いるミュージシャンが、毎月ファンのみんなから100円ずつもらえるような作品を生み出すことができれば、毎月500,000円になります。10000人のファンがいれば1,000,000円になります。制作活動に注力しながら、十分生活していけるお金です。
これは音楽に限らず、イラストやマンガ、執筆やアプリ制作、すべての制作物において同じことが言えます。

ここにディレクターや編集者など、自分は何も生み出していないのに作品に関わろうとする人がいるために、制作者の取り分が減ったり、ファンがより多くの出費をしなくてはならなくなるのです。

本来、そこまでたくさん稼がなくても十分生活ができ、制作活動に注力できる人たちが、それなりの売上を出しているにも関わらず貧乏で、バイトなどをしなければならないという、なんともいたたまれない状況がこれまではありました。

 

まず、すでに大きな影響が出ておりますが、芸術コンテンツの流通は一変します。
音楽もイラストも映像も書籍も、それぞれの業界の抵抗も虚しくどんどん電子化されていっております。データの状態で売れるものをわざわざCDにしたり、本にしたりする必要はありません。それによって、中間業者の存在意義も薄れていきます。Webサイト上で電子書籍として販売できる書籍を、高い費用とリスクを負って紙の書籍にする人はこれからいなくなるでしょう。

 

次に大きな変化が訪れるのは「判断する仕事」です。

「この曲は売れる」「この漫画はもう少しこうした方がいい」という、人の作ったものに口を出すだけだった仕事をしていた人は、AIに取って代わられます。
何の根拠もなく、経験と勘だけで作品を批評していた人は、膨大な過去のデータを元に分析された結果に為す術もなく敗れ去るでしょう。

 

クリエイターにとって希望の時代に

電子書籍か紙の書籍か、という議論では、出版社や読者の立場でそれぞれのメリット・デメリットが語られることが多かったですが、クリエイターの目線で語られることはあまりありませんでした。

クリエイターにとっての電子書籍とは、自分の作品をそのまま世の中に送り出すことができ、発表するコストは紙と比べて格段に安く、もし売れたときは出版社などを通していない分たくさんの収益を生む、という大きなメリットと希望があるものなのです。

出版社や読者が電子か紙かで言い争ってもそれとは何の関係もなく、最終的に決めるのは作品そのものを生み出すクリエイターでした。

 

インターネットの登場によって、流通という「途中にいる人」の存在意義は大きく変わりました。
次はAIの台頭によって、ディレクターや編集者という「途中にいる人」が要らなくなる時代がすぐそこまで来ています。

仕事

Posted by koron