一番になることは意外と簡単なことなのです

ビジネスの世界では「業界の中で一番にならないと意味がない」、「一位と二位では得られるものに大きな差がある」と言われます。

これは確かにその通りなのですが、ただがむしゃらに一番を目指すだけの競争は人生を消耗してしまいます。一番は1人しかいないため、自分が果たしてそれになることができるのかという不安と戦う毎日や、誰にも負けないほど努力を積み重ねる日々は、そう簡単にできるものではありません。

しかし、一番になる事自体は頭を使えば簡単になることができる、決して難しいものではないのです。

 

日本一おいしい餃子

話が逸れるようですが、うちの奥さん(外国人)はとても餃子が好きです。
日本に来てから一番美味しかった食べ物はぼくが作った餃子だと言ってくれました。

家に友達を呼ぶ度にぼくが餃子を作らされるので、どうやらお世辞とかではないらしく、本当においしいと思ってくれているみたいです。

自分で言うのもなんですがそこそこ美味しい餃子です。ただ、よくある家で作った普通の餃子で、この餃子が日本一美味しいかと言われるとそんなことはないです。ぼく個人的には王将の餃子のほうが好きだったりします。

世の中にはぼくが作る餃子より美味しい餃子がたくさんあることは間違いありません。
しかし、奥さんは外で餃子を食べた時、必ず「あなたの作った餃子のほうが美味しい」と言ってくれます。

ぼくは「一番美味しい餃子を作る人」にはなれませんが、「ぼくの奥さんにとって、一番美味しい餃子を作る人」にはなれたのです。

 

ビジネスの世界では自分で「業界」を作ることができる

ビジネスは常に受けて目線、即ちお客さんの視点で考える必要があります。そして、お客さんの受け取り方は一定ではありません。

うちの奥さんにとってのぼくの餃子と同じように、特定のお客さんにとっての一番であることができるのであれば、それはビジネスとして成り立つことでしょう。

そのために考えることは、商品のクオリティはもちろん、いつ、どこで、だれに届けるのかという要素がかなり大事になってきます。

例えば、今日本でミネラルウォーターの業界で一番を目指すことはものすごく困難なことですが、砂漠でのどが渇いている人に水を提供することができれば、その人にとっては世界で一番すばらしい水を販売している会社になることができるでしょう。

オリンピック競技などと違い、ビジネスの世界では自分で「業界」を作ることができるのです。どんなに細分化された仕事であっても必要としてくれる人がいる限り、誇りとやりがいを持って仕事をすることができるでしょう。